技術だけではない看護師に必要なスキル

看護師の多くは病棟勤務であり、仕事内容は医師の指示に従って医療行為を行い、患者をケアすることです。こうした現場では、患者のケガや病気を治療するための適切な処置を、迅速に行うスキルが必要です。確かに、次から次へと訪れる患者に対応する現場では、てきぱきと対応できる看護師が重宝されるでしょう。しかし、技術が優れているだけでは十分とはいえません。

看護師には、技術と同様に医師や同僚との人間関係を上手く維持するための、コミュニケーション能力が重要です。というのも、1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで終始ケアを行うプライマリーナーシングではなく、同僚とチームを組んで複数の看護師が1人の患者をケアするチームナーシングを採用する医療現場が多いからです。

チームナーシングでは、情報共有が不可欠であり、看護師同士のコミュニケーションが滞ると、患者の生命に重大な影響が生じる恐れがあります。どんなに同僚と性格が合わなくても、コミュニケーションはしっかりとらなくてはいけません。実際に、同僚との人間関係が原因で離職する看護師は後を絶たないのです。そうでなくても、激務を伴う看護師の離職率は高く、問題となっています。

患者の命を預かる看護師の責任は重く、適切な処置を怠ったとして看護師が賠償命令を受けるケースも珍しくありません。こうした緊張感の中で、人間関係のストレスは大きな心理的負担となるので、コミュニケーション能力の高い看護師が求められています。