糖尿病との関係

脂肪肝の原因の一つに糖尿病があります。国民の5人に1人以上が糖尿病患者かその予備軍と言われています。
糖尿病には1型と2型があり、1型糖尿病はインスリンを作る膵臓の細胞が何らかの原因でこわされることで、インスリンが作られず、糖尿病になります。 2型糖尿病はインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために起こり、日本の糖尿病患者さんの約90%が2型糖尿病です。2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれていてさらに脂肪肝を発症することがあります。

糖尿病とは?

糖尿病

糖尿病は、血中の血糖値が高くなってしまう病気です。尿に糖が出るので糖尿病と言われています。尿に糖が出るのが悪いのではなく、血液中のブドウ糖の量が多くなってしまっていることが問題。これによって様々な病気を引き起こします。

血糖とは

食事で摂取された糖質(炭水化物)は、消化されてブドウ糖(グルコース)となり、血液中から全身の細胞に取り込まれて、主なエネルギー源として利用されます。血液中のブドウ糖を「血糖」といい、血糖値とは血液中のブドウ糖の量を指します。食事をすると血糖値は高くなり、運動などによりブドウ糖がエネルギーとして消費されると血糖値は低くなります。

肝臓とインスリン

糖尿病

血糖値が高くなると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは「血中にブドウ糖が多いから、吸収せよ!」と指令を出します。すると細胞はブドウ糖をエネルギーとして使い出します。そしてインスリンの濃度が高くなると、肝臓がブドウ糖をせっせと取り込んで、ブドウ糖を「グリコーゲン」として一時的にストックします。つまり、肝臓はブドウ糖のタンクとなります。
逆に血糖値が低くなってくる(インスリン濃度が下がる)と、それは「肝臓のタンクからブドウ糖を至急放出せよ!」という合図です。肝臓はグリコーゲンをブドウ糖に戻し、血糖値を一定に保ちます。インスリンと肝臓が協力して血糖値をコントロールしているんですね。

脂肪肝と糖尿病

さて、エネルギーとして使われなかったブドウ糖を集めて「グリコーゲン」として貯蔵しておく肝臓ですが、グリコーゲンのストックには多くの水分を必要とするため、最大でも肝臓のウエット重量の10%までしかストックしておくことはできません。
グリコーゲンにもなれなかったブドウ糖たちは、代謝経路のエネルギー物質アセチルCoAから脂肪酸やコレステロールの合成へと向います。脂肪酸、、そう、中性脂肪の元ですね。こうして中性脂肪が肝臓に溜まり、脂肪肝になるのです。糖尿病を抱えている人は、 インスリンの作用が十分でないためブドウ糖を有効に使うことができず、脂肪肝になりやすい と考えられています。

糖尿病患者が脂肪肝を予防するには?

脂肪肝の標準となる治療法は確立していませんが、非アルコール性脂肪肝は糖質制限食で脂肪がすぐ減るという報告もあります。
残念ながら私たちはブドウ糖から作った脂肪酸を元のブドウ糖に戻すことができません。糖質制限の食事などで、中性脂肪の増加を抑えることが大事です。